5-②安生打座 インドでの悟り

インドに行ったごく最初の頃なんだ

半年たたない間だったかなぁ

山の昼間の修行が終わってふもとに帰る途中

カリアッパ師はしょっちゅうロバに乗ってるんだ

私はその後からくっついて歩いていた

ロバに乗ってる師の後ろからこう質問したんです

天:ディヤーナ(瞑想)の第一条件は心を静かに安定してなきゃいけないんでしょ

カ:オフコース

天:ならなぜもっと静かな場所で修行させて下さらないのですか?

(なんせ朝から晩まで滝の水がゴーゴーおっこって耳が聞こえなくなるような

ところに座らされている)

カ:あの場所で心が静まらないのか

天:あんな場所で心が静まるはずありゃしませんよ

のべつ耳が張り裂けそうです。こうやってあそこから離れて

先生のお伴して歩いてるときだってまだ滝の音が聞こえます

カ:あの場所で心が静まらないようなおまえなら どこへ行ってもダメだな

天:そうおっしゃいますけど あの水の音では・・・

カ:あの水の音がそんなにうるさいかい?

天:とってもうるさいですよ。うるさいなんていうのはあんなもんじゃありません

カ:特にあの場所をおまえのために選んだのにその訳が分かっていないようだね



・・・・


カ:天の声を聴かせてやろうと思ってよ

天:ええっ!何です?天に声があるんですか?

カ:ある 声と言っても言葉の声じゃない。音だよ。

けど現在のおまえさんのように水の音ばかりきにしている耳には天の声どころか

地の声も聞こえないだろうな

天:地の声もあるんですか?

カ:あるある 地の声っていうのはもう一言でわかるじゃないか

地上にある鳥や獣や風によって木がすれあう音 あれが地の声だ

天:ああそうか

カ:それが聞こえるだろう

天:聞こえやしませんよ。あのゴーゴー絶え間なく激しい

高いところからおっこってくる滝の水の音 

そんなもん聞こえるはずないじゃありませんか

カ:明日から瞑想の合間あいまに時々鳥や獣や風の音を聞こうと思って

とにかくその音をつかまえる気分を出してごらん。

ま、それからだ。天の声は



さぁそのあくる日からもうほとんど瞑想なんかしやしない

岩かどに座っちゃ鳥の声や獣の声を聞いたい努力を一生懸命やってみた

最初のうちはとてもダメなんだ


けど、2~3時間経ってからまもなく 何とかかすかながらも

時々 あの岩 この岩へと飛び交う鳥の声や遠くのほうから

豹の声や蝉の声などが聞こえるようになってきたんだ

そして数日後にはもう滝の音を聞きながらも他の音が

どんどん聞こえるようになってきたんだ



聞こえるようになると同時に欲がでる

天の声も聞けるかもしれない

それでもう天の声ってどんなんだろうな、いったい

そら思いますがな

そらもう毎日毎日どんなに人知れない苦労以上の努力をしたか分からなかった




半月ほど経って たまりかねて 天の声は聞こえないことを話すと

カ:どんな音を耳にしても 心がそれを相手にしないとそのとき

天の声が分かってくるんだよ



それから翌日言われるままに いっさいの音の相手をしないように

やってみたがこれがダメでとっても難しいんだ

およそ3ケ月くらいかなぁ、この難しい行と悪戦苦闘したよ

なさけなくなっちゃって泣き出したこともある

『どうして俺はこんなことができないのかしらん』

と思うと悔しくてね


ああ、俺って人間ダメなのかなぁ ダメというか

こんな難しいことやったって何になるんだい いったい

第一天の声なんて聞かくなったって 今までこうやって生きて

こられたんだ。やめた、俺はこんな難しいこと。

半分やけくそになって、いきなり仰向けになっちゃってね

しゃくにさわったから 目を半眼にして空を見ると雲が漂っている

耳にいろいろの取り 獣 土 風 いろんな音が絶え間なく聞こえてきても

心がなんと全くそれから離れて雲の漂いの中に入って

無心できる自分に気がついた

『あ、これだ!』と刹那の悟りともいうべきものを心に感じたんですよ


あなた方だって 今まで幾度もそういうことがあったんだけど そいつを

つかまえられなかっただけなんだ



そこでその夕方の帰り また質問した

天:雲を見て フーッときがついたら無心でいたんですけど

無心できたときに天の声 聞こえませんでしたが

カ:ハッ、ハッ、ハッ、聞こえてるのに聞こえないかい

天:えー?

カ:それが天の声だよ

天:えっ!

カ:天の声とは声なき声よ(absolute stillness)

と英語で言ってくれました


天:考えてごらん お前は文化の民族で新しい教育を受けている

人間だから知ってることだろうが、お互いが今こうやって立っている

この地面はな 西洋の時でいうと 1秒に20マイルの速力で

バーッと回っている 音でも光でも波長が

非常に長いのと短いのは感覚しない

だから何にも聞こえないだろう その聞こえてない中に音があるんだよ

それが天の声だ 天がその音をみんなもっていっちゃっているから聞こえないんだ

天:ああそうか!その絶対に音のない世界に心を入れる 

それがすでに天の声か 分かりました

わかりましたけど、もうひとつ分からないことがあります

そうしたら一体どうなるんです?

いえ、天の声を聞いたらどうなるんです?

カ:そこまで聞かなきゃ分からないほど馬鹿だとは思わなかった

何の音も聞こえない その天の声を聞いたときに 人の生命のなかの

本然の力がわきでるんだ

天:本然の力がわきあがる!?


これも私びっくりしちゃったよ

何だかしらないけれども、バーッと命の本当の力がわきあがってくる

我々の今まで知っていた医学のほうでは いわゆる再生力というか

リバイバルの力と言おうか それがそうした場合にでるとははっきり

教えてないけど それでも人間の命の中にそういう力があるということは

おぼろげながら我々の知識の中にあった


それがそういう場合に生じると言われたんで そらもう愕然としちゃったんだ



カ:ま、しかしね、そんな難しいことはあとでゆっくり、考えなくても

分かる時がるくからな

それは事実がおまえをうなずかせるから



-----------------------------


確かにうなずかせるような事実がありました

というのは、しばしば無心になるにしたがって

ぐんぐん体の調子が良くなってくるんです



カ:ま、ゆっくり考えなくても分かる時がくるから

どうだね、その白い雲を見てうっとりなったときだな

普段、おまえさんの心に張り付いてるしい対する恐怖念や

病からくるいろいろの苦痛、しょっちゅうおまえが私に苦しいの

いや、今にも息がとまりそうだの それからもう何ともやるせのない

寂しさを感じますと言ったあれ あれを おまえ心に考えたかい


天:それは全然考えません

カ:そうだろうなぁ すると その雲の中に心が溶け込んでいるあいだは

おまえさんは肉体に病があっても ないと同様に命は生活をしていることだな


天:そうです

カ:そうですとわかったら これからはできるだけそういうふうに心を

病からもあらゆるものからも離しなさい


天:それで病が治りますか?

カ:治る、治らないなんてことを考えちゃダメだ

もうすでにそう言ったらもとに返っちまうじゃないか

そうして生きるのが人間の本当の生き方だから

そうして生きろと言ってんだ

それより他おまえの生きる道はないんだよ

それをほかに道を求めたからいけないんだ

考えてみろ。病なり運命から心が離れたときは 病があっても

その人は病人じゃない 運命が悪くても その人は運命の悪い人じゃない

ようく寝てる人間は何も知らない

何も知らない人間に病はあるか。目が覚めてああ、病がある

と思うんじゃないか。そのくらいのことがおまえの心で悟れないか



たとえ病がないときでも 病のことを心が考えりゃ 病があるのと同じことだ

運命がよくってもそのくらいのこと おまえさん 改めて私から聞かなくったって

もう分かってるはずだ。

とにかく人のことじゃないぞ。自分のことだ。すべてが心だ

だから肉体の病は肉体のものにして心にまで迷惑をかけるな


心に迷惑をかけたくなけりゃ 時にふれ、折にふれて 心に天の声を聞かすようにしろ

つまり 声なき声のあるところこそ 心の本当のやすらぎの場所だ

たまには心をやすめてやれ。そこに心をやすめてやると 一切の迷惑が心にかからない

すると 心はすぐに本然の力が命の中で働き出すようにしてくれる。わかったか。




涙がぼろぼろでたんだ。私 ここにきて、ああ、外国の大学まで出て

しかも成績が首席でこんなありがたいことがわからずに今まで来た

なんて俺はたわけた大ばかだったろう

そのたわけの大ばかでも天はやっぱり救ってくださろうとして

今月今日 ただいまこの時 この人の口からこういう尊いことを

私の心にささやかれるのかと思ったら 涙がボロボロでたんだ

それから以後は心をただ天の声と同化させることだけど

折りあるごとにやった



とにかく私がこんにちあるをいたした命の転機

パーッと命のなかのすべてが取り替えられた

いわゆるコンバーション(転換)は静かに考えてみると

まさにこの心の持ち方 現代語でいうと 

現実に心機転換を行いえるようになってから以後です



今日の話を聞いているあいだに アッと思った刹那

空(くう)になったことがいくらもあるはずなんだけど

あなた方 自分じゃ気がつかずにいる

つまり 新規の転換を現実にすりゃいいんで 右にあった心を

左にもってきて 左にあった心を右にもってきて

それでさらに空にもっていっちまいさえすれば それでいいわけなんだ

その時に人間の生命の力と言うのが一番働くんだ









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by florence18 | 2014-05-02 18:02 | *how to 5


不安や悩みや病気を乗り越えて スパラシキ人生*にするための方法を書いてます。


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